【公式】スナップアップ投資顧問ブログ

日本株式の専門家スナップアップ投資顧問の公式ブログ

持ち合い株の減少進む・株主の監視の目  【3月18日(金)】

【4004】昭和電工は、2024年までに、政策保有株(持合い株)を、原則、すべて売却する方針です。


【7267】ホンダや【2502】アサヒグループホールディングス、【8002】丸紅などの保有全銘柄を売却し、450億円の資金を捻出します。


【7011】三菱重工業も、2022年3月期中に、1,000億円規模の株式を売却すると表明しています。


昭和電工は、2020年12月時点で、ビジネス上のつながりのある自動車株や銀行株など、39銘柄保有していましたが、2024年までに、これをゼロにすることを目指します。


昭和電工は、1,300億円の資金を確保する計画で、政策保有株の他、不動産の売却も行う予定です。


売却資金は、成長投資や日立化成の買収で膨らんだ負債の返済に充てる考えです。


三菱重工業は、政策保有株の圧縮を加速させます。


2022年3月期に売却するのは1,000億円程度になる見通しです。


ここ3年は、100~200億円にとどまっていましたが、今期は、前期末保有額約4,000億円の4分の1を売却し、同社としては、過去最大になる予定です。


大半の売却は、既に完了しているとのことです。


三菱グループの企業の上場株を中心に、約15銘柄を売却しました。


同社の政策保有株は、前期末、上場株が48銘柄、3,500億円、非上場株が142銘柄、450億円ありました。


これまでも、【4188】三菱ケミカルホールディングスなど三菱グループの株式に加え、取引のある製鉄会社や製紙会社の株式を売却してきました。


政策保有株に加え、不動産などの資産売却を進め、今期の投資キャッシュフローは、ゼロとなる見込みで、営業キャッシュフローは、1,000億円の黒字の見込みで、フリーキャッシュフローは、1,000億円の黒字となる見通しです。


コロナ禍で増えた有利子負債を返却し、バランスシートの改善につなげます。


時価総額ベースの持ち合い株比率は、銀行や保険会社などを中心に削減が進み低下してきましたが、事業会社の保有比率は高いままでした。


しかし、足元では、ゼネコンや三菱の金曜会など、旧財閥グループによる減少が目立っています。


物言わぬ安定株主につながる政策保有株は、少数株主の意見が反映されず、経営陣の保身につながります。


ここ数年は、株主の監視の目が強くなっています。


議決権行使助言会社、米国グラスルイスは、政策保有株の合計額が、純資産の10%を超えた場合、経営トップの選任議案に反対推奨する方針を示しています。


【8803】平和不動産や【1852】浅沼組の株主総会で、政策保有株縮減を促す株式提案が出され、2割の賛成を集めたことも、企業の政策保有株の圧縮に背中を押します。


三井住友信託銀行は、2022年度から政策保有株の議決権行使を行います。


3期連続で最終赤字を計上した企業の経営陣などに反対票を投じます。


他行にも動きが広まれば、政策株保有企業に対する経営監視機能が強まります。


安定株主への期待で持ち合っていた政策保有株が企業の意向と反対の動きが強まれば、保有意義は薄れ、今後も政策保有株を圧縮する動きが加速しそうです。

 


※無料で銘柄相談も承っております。
※有力な情報配信も行っておりますので下記URLよりご確認ください。

https://snap-up.jp/