コロナ禍で、業績が悪化している鉄道各社が、資産圧縮を進めています。
大手18社が、2021年4~12月期に資産売却で計上した、特別利益は1,200億円強と、前年同期の3倍に膨らみました。
2020年4~12月期は18社すべてが赤字でしたが、今期は13社が黒字に転じました。
オミクロン型の感染拡大が影響する中、鉄道各社は、資産の売却で業績の下支えと成長戦略の資金確保につなげています。
【9024】西武ホールディングスは、88億円の最終赤字(前年同期は481億円赤字)でした。
2022年3月の最終損益は、90億円の黒字(前期は723億円赤字)に転じる見込みです。
西武建設の売却益、380億円計上し、従来予想を230億円上方修正しました。
昨年5月に公表したホテルの売却先は、シンガポール政府系ファンドのGICに決定しました。
「苗場プリンスホテル」「サンシャインシティプリンスホテル」やスキー場など31か所を売却します。
売却額は、1,500億円程度となる見通しで、2023年3月期に、売却益、約800億円を計上します。
18社が4~12月期に特別利益として計上した、固定資産売却益や投資有価証券売却益などの合計は1,229億円でした。
コロナ前の2019年3月期の年間計上額(280億円)の4倍以上になっています。
【9041】近鉄グループホールディングスは、8ホテルを米投資ファンド、ブラックストーンに売却し、特別利益204億円を計上しました。
【9021】JR西日本は、遊休地など230億円の固定資産売却益、【9006】京浜急行電鉄も都内のビルなど3件の売却益145億円を計上しました。
【9007】小田急電鉄は、政策保有株など、投資有価証券売却益118億円計上しました。
【9020】JR東日本は、都内のビルを自社が運用に参加するファンドに売却し、600億円の営業増益となりました。
大手18社の4~12月期の最終損益の合計は、119億円の黒字(前年は8,249億円赤字)に転じました。
緊急事態宣言の解除などで、10~12月は鉄道利用が段階的に回復し、売上高の合計は前年同期比、8%増の7兆4,368億円となりましたが、コロナ前の2019年の同期と比べると、3割以上減少しています。
鉄道会社は、オフィスビルや商業施設など、多くの資産を所有しています。
これまでは、鉄道事業の安定した収益を柱に保有型のビジネスを展開してきました。
新型コロナによる事業環境の変化を受け、資産の流動化で資金を回転させ、成長分野などへ充てる動きが広がってきました。
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