M&A(企業の合併・買収)が大幅に減少【10月12日(水)】
2022年7~9月期の日本企業が関連したM&Aは、金額ベースで、前年同期比64%減の1兆9,109億円でした。
4半期としては、2020年4~6月期以来の低水準となりました。
内訳をみると、国境をまたぐ大型案件の低調が目立ちます。
日本企業による海外企業の買収は、件数は、22件増の163件でしたが、金額ベースでは、前年同期の1/4、4,436億円にとどまりました。
日本企業同士のM&Aは、25%減の5,630億円、件数ベースは、26件増の818件でした。
海外企業による日本企業の買収も、68%減の9,043億円、2件減の86件にとどまりました。
今夏は、コロナ禍による供給制約が続く中、ロシアのウクライナ侵攻が重なり、欧米は記録的なインフレとなりました。
米連邦準備理事会(FRB)をはじめ、世界が金融引き締めに動き、景気の減速懸念が強まり、大型案件の逆風となりました。
日本企業にとっては、急激な円安・ドル高も海外企業への投資の様子見につながりました。
直近6ヶ月で20円以上も円安・ドル高が進み、海外資産の取得価格が膨らむだけに手を出しにくくなりました。
日本企業による海外企業の買収では、第一生命ホールディングスによるニュージーランドの生命保険会社パートナーズグループホールディングス買収金額、850億円強が最大でした。
日本企業同士の買収ではSBIホールディングスが住宅ローン大手のアルヒへのTOB(公開買い付け)を10月末までの実施中で、ミネベアミツミは、本多通信工業をTOBで子会社化しました。
海外企業による日本企業の取得では、米ベインキャピタルによるオリンパスの科学事業の買収が、4,200億円以上でした。
エイチ・アイ・エスなどによるハウステンボス(長崎県佐世保市)の香港投資ファンドへの売却も、1,000億円程度になりました。
2022年1~6月の世界のM&Aの金額は前年同期に比べ、20%減少しました。
インフレ、金利上昇、株価の下落など市場では逆風が強まり、景気の不透明感は強く、ウクライナ侵攻も長引いており、世界のM&Aは、さらに減少する可能性があります。
日本企業は、M&Aを成長戦略上重要な位置付けとしており、急回復は難しくても、日本企業が関与するM&Aの回復は、来年にかけては、期待できるのではと思われます。
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