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米ファンド・アジア企業への投資を多様化【3月14日(火)】

米大手投資ファンドが、アジア企業の買収先を多様化しています。


コロナ禍による経済封鎖や、米中関係の緊張で、中国企業への投資を控える動きが目立つ一方で、日本は中国の2倍に上り、インドなど、他のアジア諸国への投資が広がりました。


投資余力のあるファンドは、2023年以降も、中国以外での買収を増やす可能性があります。


2022年のアジア企業を対象としたM&Aの金額は、487億ドル(約6.5兆円)と、株式市場が堅調だった2021年に比べると大幅に減少しました。


中国企業が対象のM&Aが76%減となる半面、日本企業への投資は133億ドルと、中国企業の2倍近くになりました。


日本企業への投資が拡大した背景は、過去3年ほどの間に新規のアジア向けファンドが多く設定され、未投資資金が潤沢になっていることがあります。


米国の金融引き締めが米景気に与える影響を懸念した投資家が、日本企業への投資に積極的になっていることも大きいと言います。


KKRは、2022年10~12月期の決算説明会で、アジア太平洋地域の企業向けファンドの運用資産総額が600億ドルと2019年の3倍に拡大したと強調し、2023年は、アジアでの投資を重要な柱に位置づけると表明しました。


日本企業の間で、企業統治や収益性の向上機運が高まっていて、2022年4月には日立物流を60億ドルで買収しました。


KKRは、財務改善を進める韓国企業や、上場企業の非公開化が相次ぐオーストラリア企業にも積極的に投資しています。


カーライルグループは、インド企業への投資を強化しています。


今年1月に美容製品サービス会社VLCCの買収を発表するなど、2005年のインド進出以来、インド企業の買収は44件で、55億ドルに達します。


ブラックストーンは、アジアでの不動産投資を拡大させています。


2022年3月には、不動産向けの3号ファンドを設定しました。


同ファンドの出資総額は、昨年12月末時点で、81億ドルとなり、2013年に設定した1号ファンドの2倍に上りました。


投資ファンドがアジアでの投資先を分散する背景には、ファンドに資金を振り向ける機関投資家の動向があります。


2022年の市場環境の悪化を経て、投資ファンド分散投資の必要性をこれまで以上に求めるようになりました。


中国企業が中心だったアジアでの投資は、2023年には、より分散される傾向が鮮明になると思われます。


中国は、コロナ関連の規制を大幅に緩和して、ファンドによる投資も徐々には回復すると見られますが、当面は、中国国内の投資家が中心で、海外勢は米中関係の展開を前にしばらくは様子見が見込まれます。

 

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