中国共産党の習近平総書記が、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で、国家主席として3期目入りを決めました。
習氏は、3月10日の全人代で、約3,000人の代表から満票で国家主席に選ばれました。
中国の憲法は、国家主席と国家副主席の任期を2期10年までと定めていましたが、2018年3月の改正で制限をなくしました。
習氏は、党トップの総書記、国家元首に相当する国家主席、軍トップの中央軍事委員会主席を兼務します。
任期の定めはありません。
1強体制を固めた習氏は、台湾統一に向けた動きを加速すると思われます。
ブレーキ役のいない習指導部の動きが、国際秩序の不確実性をさらに加速する懸念があります。
習指導部のリスクは、明確な後継候補を定めていない点もあります。
かつて、習氏や胡錦涛全党総書記は、国家副主席や中央軍事委員会副主席として軍務を経験してトップに登り詰めました。
中国は、建国の父・毛沢東に権力が集中しすぎて、国内が混乱した反省から、後継候補を国家副主席に据えて、秩序だった権力継承を進めてきました。
共産党の最高指導部は、習氏の69歳を筆頭に全員が60歳以上です。
鄧小平が敷いた、集団指導体制は事実上崩壊しており、習氏に不測の事態が起きた場合は、毛沢東の死後のように、党内抗争が勃発する可能性があります。
今回、副主席についた韓正氏は68歳、2022年10月の党大会で最高指導部メンバーから外れ、党の要職を退いた人物です。
中央軍事委員会副主席にも軍人が並び、習氏の後継と目される人材はいません。
習氏のかつての盟友、王岐山は完全に引退し、習氏に意見の言える人物はいなくなりました。
共産主義青年団(共青団)を率いた、李克強首相も、今回の全人代を持って引退しました。
共青団のホープだった胡春華氏も、党序列24位内の政治局員から降格となり、党内で一定の地位を保ってきた共青団は、事実上壊滅しました。
米中関係は、悪化の一途をたどっています。
2月にはブリンケン米国務長官の訪中直前に、中国の偵察気球が米領空に侵入し、緊張緩和を探るはずの訪中が中止となりました。
習氏は3月6日、米国を始めとする西側諸国が、全包囲の抑制や封鎖を実施し、中国の発展に未曽有の厳しい挑戦をもたらしていると発言しました。
米国を名指しして、対決姿勢を鮮明にしており、習指導部の政権の下で、米中の分断の長期化が懸念されます。
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