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コロナ「自主療養」・生保会社の給付金問題 【2月16日(水)】

オミクロン型の感染者が高止まりする中、神奈川県が打ち出した「自主療養」への対応に生命保険各社は、頭を悩ませています。


各社は、医師の診断書などがあれば、自宅療養でも、入院とみなして、通常は給付金を支払いますが、受診を要件としない神奈川県の「自主療養」は想定外です。


「自主療養」は、神奈川県が独自に設けた仕組みで、6~49歳で基礎疾患のない人が対象となります。


市販の抗原検査キットなどで陽性になっても、軽症なら自宅での待機を選べるようにしました。


急激な感染拡大により、医療や保健所のひっ迫を防ぐため、1月28日から運用を始めました。


「自主療養者」は、医療機関や保健所で診察を受ける必要がありません。


受診を経て感染者とみなされる一般的な自宅療養者とは異なり、神奈川県の「自主療養者」は、感染症法で定めた感染者にはなりません。


県独自の基準にあたる「自主療養者」は、約5,000人にのぼります。


生命保険各社は、自宅療養を余儀なくされた人に対し、入院とみなして、給付金を支払う措置を講じています。


生命保険協会も「宿泊・自宅療養証明書」を用意し、自治体や保健所の担当者の署名でも給付金が受け取れるよう、手続きの簡素化に努めてきました。


加盟42社は、昨年12月末時点で、みなし入院として、475億円を支給しました。


給付金の支払い額は、627億円だったので、みなし給付は、全体の75%を占めます。


医師の診断書や保健所の証明書がない、神奈川県独自の「自主療養者」に同様の対応を取るのは難しいと言います。


各社は、給付金を支払う条件として、診断書や証明書の提出を約款で定めているためです。


保健所に「自主療養」を促された陽性者が、保険が適用されないことに不満を募らせてもおかしくありません。


黒岩神奈川県知事は「自主療養者」にも保険が適用されるよう厚生労働省に要請しました。


生保各社の意見は割れています。


医師や保健所の判断がなければ、不正に給付金を受け取ろうとする、モラルリスクが入り込む余地が生まれるという慎重論がある反面、特例を認めるべきだという声も聞かれます。


生命保険協会長を輪番で務める、日本生命、第一生命、明治安田生命住友生命の足並みは、乱れています。


一方で、感染者の濃厚接触者となる家族に症状が出た場合は、検査をしなくても、医師の診察で感染者とする「みなし陽性」に対しては、各社とも、給付金を支払う方針で一致しています。


医師の判断が介在し、一定の客観性があるとしているからです。


医師や保健所を介さない神奈川県の「自主療養」を緊急避難的措置として、政府も半ば追認しています。


他の自治体のも広がる可能性もあり、「自主療養者」への給付金の問題は、生保各社にとって、柔軟性と原則論の間で、悩ましい問題です。

 


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