偽ブランド品・「転売ヤー」が増加 【3月22日(月)】
税関は、ネット通販で海外から入ってくる怪しい荷物を水際で止めますが、限界があります。
日本の法律では、偽ブランド品を買っても、個人使用目的であれば、違法ではないので、この点をたてに取って小遣い稼ぎをする、いわゆる「転売ヤー」(転売とバイヤーを合わせた造語)が増えています。
2021年の税関による、偽ブランド品などの知的財産侵害品の輸入差し止め件数は、2万8,270件にのぼりました。
輸出は、8割近くが中国からです。
税関は外国当局との情報交換やX線検査などで厳しく監視していますが、輸入が差し止められた実績の裏には、何倍ものすり抜け事案が存在します。
それだけではなく、水際で、一旦止められた偽ブランド品の一部が、一転、輸入が合法とみなされ、税関を通過する場合もあります。
知的侵害の疑いのある品物は、輸入を許可するかどうかの「認定手続き」を行ないます。
税関が、輸入者と権利者の意見を聞いて判断する仕組みで、2021年は、約3万2,000件が対象となりました。
偽ブランド品の多くは、税関が没収することになりますが、1割は、輸入者が「輸入してはならない貨物に該当しない」と申し出ます。
その際、輸入者のほとんどが、個人使用目的であると主張します。
日本の商標法、意匠法では、個人的に使うために知的侵害品(偽ブランド品など)を買っても違法ではありません。
税関の取り締まりにおいても、繰り返し継続的に偽ブランド品を仕入れる「業」でなければ、知的侵害には当たらないと判断します。
権利者側は、自分で使うために「カルティエのベルトを15本も買うのはおかしい」といった意見書は出すことはできます。
しかし、「業」裏づける証拠を見つけるのは難しく、個人使用目的でない可能性が完全には排除できなくても、最終的には、輸入者の言い分が通ることが多いそうです。
偽ブランド品は、最近の傾向として、海外の通販サイトで買ったものが、小口の郵便物で入ってくるケースが増えました。
「スーパーコピー」「N級品」―ネット上にはこんな売り文句で営業する偽ブランド品の専用通販サイトがあり、個人間売買アプリにも出没し、ユーザー投稿を装って偽物を売っているアカウントもあります。
気がかりなのは、偽物を見分ける目利きができず、法律も十分理解しないまま、転売で小遣い稼ぎをする「転売ヤー」が増えていることです。
コロナ禍で、経済的に困窮して、偽ブランド品の転売に手を染めるケースも多いようです。
正規品の五分の一程度で仕入れた偽ブランドの財布を偽物とは知らず、200個も転売していたケースもありました。
偽ブランド品には、中国を起点とした国際的な供給網が構築されていて、素人による輸入、転売は電池などの消耗品や自動車部品にまで広がっています。
知的侵害品の「転売ヤー」を排除するにはアプリ運営者などの協力が欠かせません。
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