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マンション販売好調・先行きに懸念材料も 【12月24日(金)】

首都圏の新築マンション市場が活況です。


2021年の首都圏の新築マンション発売戸数は、2020年比19.4%増の3万2,500戸が見込まれます。


2022年の販売戸数も、2021年比4.6%増の3万4,000戸となる見通しです。


2020年は、コロナの影響で落ち込んでいましたが、コロナ感染拡大以前の2019年を(3万1,238戸)を2年連続で上回りそうです。


しかし、都心部の物件は高額化が進み、富裕層にしか手を出せない物件が増えていることが懸念されます。


港区、渋谷区、千代田区で2021年1~9月に販売されたマンションの平均価格は、1億5,000万円を超え、面積も拡大しています。


東京・三田の旧逓信省簡易保険協庁舎跡地に三井不動産レジデンシャル三菱地所レジデンスが開発するマンションは、総戸数1,100戸の大規模物件ながら、全戸が1億円以上となりそうです。


開発事業者は、地価高騰などでかさんだ土地取得費や資材高などの建築コストの上昇を価格に転嫁します。


特に富裕層に人気のある都心マンションは、高騰が続いていて、一般消費者には高根の花の億ションが急増しています。


2021年1~11月の首都圏マンションの平均価格は、6,476万円と20年前から2,000万円以上上昇しましたが、一方、会社員の平均年収は、433万円と20年間増えていません。


東京23区内の平均価格は8,327万円でした。


単純計算すると、23区内のマンションは、年収の19倍以上です。


しかし、東京の物件も世界的に見れば、高くはなく、元麻布の高額物件の単価を100とすれば、香港が、211.6、ロンドンが、181.4です。


ニューヨークやシンガポールも東京以上です。


所得水準が伸びない現状の深刻さが際立ちます。


若年層が主な購入主体である郊外のファミリーマンションの住戸面積が、狭くなっています。


郊外マンションの価格は、上がっていません。


2021年1~10月の埼玉県の新築マンションの平均価格は、4,704万円と、2020年の4,715万円から微減しました。


横浜・川崎エリアは、5,428万円で、2020年の5,749万円から下がりました。


郊外でも用地取得費がかさみ、建築コストは上がっていますが、業者は住戸面積を縮小することで、販売価格を抑えています。


埼玉県の新築マンションの住戸の専有面積は、2021年1~10月は、平均67.39㎡で、2020年の69.06㎡から縮小しました。


横浜・川崎エリアでは、65.77㎡が64.38㎡に縮小しました。


テレワークの普及などもあって、郊外マンションの需要は根強いものがありますが、独身者や共働き世代が許容できる価格の限界に近づいています。


開発事業者にとって、建築コスト高に収束のメドが立っていないことが懸念材料です。


マンション用地は、特に23区内では、出物が少なくなっています。


用地取得費は今後も上昇が予想され、資材費だけでなく、職人などの人件費も上がっていく見通しです。


マンション開発コストについては、下がる要素が乏しく、今後、どのように開発の採算をとっていくか、知恵を絞る必要があります。

 


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