ホームセンター最大手、カインズが、12月22日東急ハンズを買収すると発表しました。
手薄だった若者向けの品ぞろえが充実している、東急ハンズを傘下に置き、業容の拡大を目指します。
カインズは、埼玉県本庄市に本部を置き、28都道府県に228店舗を展開していますが、店舗は郊外中心で、東急ハンズを傘下に収めることにより、今後、都心部を含めた店舗網の拡大に乗り出します。
カインズは、群馬地盤のベイシアを中核とするベイシアグループの1社で、グループはアパレル大手のワークマンなど28社で構成されています。
2020年度に初めて売上高が1兆円を超えました。
カインズ自体も、製造小売りによる自主企画商品(PB)を武器に、2019年度に売上高が4,410億円となり、DCMホールディングスを超え業界最大手となりました。
カインズが、今回、初めて買収を決めた背景には、ホームセンター業界への危機感があります。
2019年度のホームセンター全体の市場規模は、3兆3,010億円と、2015年度比で0.4%減りました。
一方、店舗数は、4,355店舗と3.2%増えました。
2020年度は、巣ごもりで一時的に盛り上がりましたが、オーバーストア状態で、先行きは厳しくなっています。
カインズは、飽和状態を打破するため、郊外への積極出店を取りやめ、3年間で、デジタル関連に100~150億円投資し、デジタル改革の先陣を切ってきました。
東京・表参道にIT部隊の拠点を置き、商品が売り場のどこにあるか一目でわかるアプリを開発、生産効率を高め、経常利益率が約8%と、他の大手の6~7%台に比べ、収益力が高くなっています。
店舗改革の成果が出ていると判断し、東急ハンズの買収により、郊外主体からの脱却を目指します。
豊富な品揃えで、消費者の支持を集めてきましたが、コロナ禍の影響を受けて厳しい状態が続いています。
2021年3月期の売上は631億円で、前期比、35%減少しました。
コロナの影響だけでなく、独自の商品が充実していないことも要因です。
東急ハンズの売上に占めるPBの比率は10%で、PBに強いカインズのノウハウを生かせば、来店客を呼び込めると見ています。
東急ハンズの店舗を生かして、都市部の需要取り込みを急ぎます。
ベイシアグループは、従来は、自主性を重視する姿勢でしたが、今は連携を重視する姿勢に切り替えつつあります。
グループ経営をどう高めていくか、今回の東急ハンズ買収は、試金石になりそうです。
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