【公式】スナップアップ投資顧問ブログ

日本株式の専門家スナップアップ投資顧問の公式ブログ

米テスラ・2022年の販売目標未達【1月5日(木)】

米テスラが1月2日発表した、2022年の電気自動車(EV)の世界販売台数は、2021年比40%増の131万3,851台でした。


通年ベースで過去最高を記録したものの、50%超の増加としていた目標は、下回りました。


2022年末には、米国で実質的な値下げに踏み切っていて、成長が減速しているとの懸念が強まっています。


テスラの年間EV販売数が、期初の目標を下回ったのは2年ぶりです。


上海市が2022年春に実施したロックダウンの影響で、同市郊外にあるEV工場が操業の一時停止を余儀なくされたのが大きかったのですが、目標未達になったのはそれだけではありません。


歴史的なインフレに伴う原材料価格などの上昇を受け、テスラは、米国で主力の「モデルY」を1年半で25%値上げしました。


足元の価格は6万5,990ドル(約860万円)と、独BMWや独メルセデスベンツなどの高級車に匹敵する水準となっています。


強気の値上げは、消費者の購買意欲に水を差すようになっています。


2022年の11月の米国における販売台数は、4万3,453台と前年同月比7%減少しました。


米国の月次販売台数が、前年実績を割れこんだのは、コロナの感染拡大でカリフォルニア州の工場が生産停止に追い込まれた、2020年半ば以来、2年5ヶ月ぶりです。


米国のEV市場では、米ゼネラルモーターズやフォードモーター、韓国の現代自動車などがシェアを伸ばしています。


テスラは、これまで値引きや広告などをほとんど避けてきましたが、2022年12月下旬、米国内で主力車種の価格を実質的に7,500ドル引き下げました。


イーロンマスク最高経営責任者(CEO)は、これまで2023年以降も平均50%の伸び率でEV販売台数の成長が続くと説明してきました。


米国ウェドブッシュ証券では、景気減速リスクなどを考慮すると、目標達成はできそうになく、2023年の目標については、35%程度の増加に目標を下げるのが、現実的だと指摘します。


イーロンマスクCEOが個人で買収した米ツィッターの経営にかかりっきりなっているとの見方もあり、テスラの成長力への期待はしぼみつつあります。


2022年のテスラ株の下落率は、65%に達し、機関投資家ベンチマークとするS&P500種株価指数の下落率(19%)を大きく上回りました。


テスラとイーロンマスク氏にとって、2023年は正念場となりそうです。

 

▼スナップアップ投資顧問
https://snap-up.jp/