通期の想定為替レートを、円安方向に見直す企業が、相次いでいます。
4~6月期の決算発表に合わせて変更した企業は、為替相場見通しを開示した、主要340社の2割に当たる、約70社でした。
主要企業の想定為替レートの平均は、1ドル=122円となり、期初よりは、2円50銭円安になりました。
足元の為替レートは、企業の想定より、さらに円安に推移していて、現状の水準が続けば、輸出企業を中心に、業績の上振れ要因となります。
340社のうち68社は、期初より円安に見直しました。
変更した企業だけで集計すると、平均9円80銭円安に見直し、想定レートは、129円でした。
見通しを変更しなかった企業が、248社、円高に見直した企業が1社、初めて通期の為替見通しを開示した企業が、23社ありました。
期初時点では、135円以上を想定する企業はありませんでしたが、今回は、栗田工業や東邦ガスなど、11社ありました。
130~135円を想定する企業は、34社増えて43社でした。
115円~120円の企業は、20社減り、57社ありました。
円安は、外需型企業には追い風となりますが、想定為替レートを見直した68社のうち32社が、通期の純利益の見通しを、上方修正しました。
トヨタ自動車は、純利益の見通しを、従来予想から1,000億円引き上げました。
想定為替レートを1ドル=130円と15円円安に見直すことで、営業利益ベースで、6,700億円の増益要因になります。
海運は、外航海運運賃で、米ドル建てが一般的です。
想定為替レートをを円安方向へ見直したことで、日本郵船は、2,400億円、川崎汽船も、2,300億円、純利益予想を上方修正しました。
TDKは、4~6月期に営業利益で、126億円の円安効果があったにもかかわらず、1ドル=120円の想定為替を据え置きました。
為替などの動向が不透明のためと説明しています。
太陽誘電は、円安が29億円の営業利益を押し上げ、営業外収益に為替差益40億円を計上しましたが、1ドル=120円の想定レートは見直さず、通期の純利益予想も据え置きました。
円安がマイナスに働く、大阪ガスは、通期の想定レートを1ドル=133.6円に変更しました。
期初の1ドル=115円に比べれば、大幅な円安で、通期の業績下方修正の要因となりました。
多くの輸出企業では、為替想定レートを、保守的に、実勢に比べ円高に想定しています。
現在の為替レートが続けば、4~9月決算時は、輸出企業を中心に、業績の上方修正が期待できると思われます。
※無料で銘柄相談も承っております。
※有力な情報配信も行っておりますので下記URLよりご確認ください。
▼
https://snap-up.jp/