自動車大手7社の2022年4~12月期の営業利益は、前年同期比3%増えました。
経営環境に逆風が吹くなか、増益を確保しましたが、主因は、2兆円近く利益を押し上げた為替です。
部材不足や材料高で、本業では苦戦が続いています。
ホンダの営業利益は、9%増の7,339億円でした。
2年連続の増加で、5年ぶりに7,000億円台を回復しましたが、主因は、2,537億円の増加要因となった為替です。
二輪車の販売がインドやタイで好調な一方、四輪車は、米国で36%減、中国で13%減と低迷しました。
営業利益が、1,094億円と72%増えたマツダも、円安が1,000億円超利益を押し上げました。
各社でこういった傾向が鮮明です。
4~12月期は1ドル=約136円と、前年に比べ、25円以上の円安が進行しました。
7社合計の4~12月期の円安による増益効果は、1.9兆円に達し、材料高影響(約1.6兆円)を吸収しました。
これがなければ、5割近い減益となる計算になります。
今後、為替による恩恵は、これほど見込めない可能性があります。
足元のレートは、1ドル=130円程度で推移しており、マツダでは、2023年1~3月期は1ドル=128円と見ています。
長引く車載用の半導体不足も重荷となります。
中国の供給網分断や米国の一部車種の半導体不足、物流のひっ迫が響いているといい、7社中6社が、2023年3月期通期の四輪車の販売台数の見込みを下方修正しました。
日産自動車が、特に影響が大きく、340万台と、従来計画を30万台下回ります。
半導体不足の解消は、2023年後半になりそうです。
米国では、生産制約で、値下げをしなくとも販売できる環境が続いて、各社が、販売店に出す、販売奨励金が減少していました。
しかし、1台当たりの平均額が、昨年12月には、底だった9月より、3割上がっていました。
今後も上がれば、各社の利益を圧迫します。
利上げによる景気後退懸念が増す中、販売や在庫、価格、生産をどうコントロールするか、各社は難しい舵とりを迫られます。
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