米国で、後払い決済BNPL市場が、急激に膨張しています。
大手5社がBNPLサービスを通じて提供した融資額は、2021年に242億ドル(約3.5兆円)と、2019年の10倍以上に膨らみました。
BNPLはBuy Now Pay Later(今買って後で払う)の略で、主にクレジットカード以外の後払いサービスを指します。
利用者が加盟店で商品を購入すると、事業者が建て替え、利用者は後から事業者に代金を支払います。
世界で67兆円の市場規模を持つクレジットカードが、年収や勤務先などの信用情報を審査するのに対し、BNPLは、細かな与信審査を必要としません。
また、BNPLは、分割払いでも金利がかかりません。
国内では、少額利用、一括払いが主流ですが、海外では、クレジットカードを持たない若年層や、金利・手数料を払いたくない消費者がBNPL市場に流れ込んでいます。
米消費者金融保険局(CFPB)は、実態を把握するため、アファームやペイパルホールディングスなど大手5社に一斉調査を行いました。
CFPBが2022年9月に公表した報告書によれば、5社の融資額は、2019年1~3月期に2億ドルだったのが、2021年10~12月期は87億ドルに増えています。
BNPLは、間口を広げた一方、問題も生じています。
2021年に、遅延損害金を請求された利用者は、10.5%で、2020年の7.8%から2.7ポイント増加しています。
BNPLに金利や手数料の利用者負担はありませんが、5社のうち3社は、期限内に支払えなかった際に損害金を請求しています。
若年層ほど遅延の割合が高い点も問題です。
BNPL利用者は、クレジットカードの審査が通らない人と重なりが大きく、若年層が返済能力を超えて商品を購入し、過剰債務を抱えるケースが続出しています。
格付け機関のフィッチは、信用力の低い層の利用が集中している点にリスクがあると指摘しています。
CFPBの報告書は、消費者保護に関しても焦点をあてていて、利用者が、複数の契約を同時に結んで、債務が膨張しやすくなる点を問題視し、業界に新たなガイドラインを導入する方針を示しています。
英国は、6月にBNPLに関する規制を強化する方針を発表し、オーストラリアも2023年半ばまでに規制を導入する方針を示しています。
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