コロナ禍からの経済再開が進むなか、労働力を確保できずに、経営が行き詰まる企業が増えています。
帝国データバンクによると、2022年は、人手不足が原因の倒産が、前年比26%増加しました。
倒産件数全体の増加率(6%)よりも大きく、ゼロゼロ融資の返済も本格化し、2023年はさらに企業倒産が増える可能性が高いと懸念されます。
帝国データバンクによると、従業員の離職や採用難で収益が悪化し、経営難に陥る「人手不足倒産」は、26%増の140件でした。
業種別では、建設(34件)と運輸(20件)が多く、運輸の人手不足倒産は、2倍に急増しました。
経済の再開で、労働需給が急激に引き締まったことが、背景にあります。
雇用人員の不足感は、コロナ前の2019年頃まで悪化基調が続き、人手不足倒産の件数は増加基調にありました。
コロナ禍では、ゼロゼロ融資などの支援策で、倒産全体が抑えられていましたが、足元で、人手不足問題が再燃し始めました。
給料を上げないと従業員が集まりませんが、多くの飲食店では、給料が上げられるほど、利益は回復していません。
宿泊業でも、倒産が目立ち始めています。
営業を続けるホテル・旅館でも、人手不足が大きな課題となっています。
大手ホテルでも、パート従業員が採用できず、8割程度の稼働率に抑えざる得ないと語っています。
物流関係でも、不足する運転手の確保ができず、賃金を上げて採用したいが、燃料の高騰で、収益が圧迫され苦しい状況だと話します。
2021年度の宅配便荷物数は、2020年度比2.4%増の49億5,323万個で7年連続で過去最高を更新しました。
物流各社では、大手でも輸送力確保に苦労する状況が続いています。
運輸業界では、多重の下請け構造があり、立場の弱い中小企業が、燃費費や人件費の価格転嫁をしにくく、経営が圧迫されやすくなっています。
2022年の全体の企業倒産件数は、6%増の6,376件と、3年ぶりに増えました。
このうち物価高が原因の倒産は、2.3倍の320件に急増し、過去最多となりました。
後継者不足による倒産も、2%増の476件で、過去最高となりました。
2022年の倒産件数は、2019年以前に比べると少なくなっていますが、2023年は人手不足や物価高が引き続き重荷となるうえ、ゼロゼロ融資の元金返済が、本格的に始まるので、企業を取り巻く環境は、一層厳しくなる恐れがあります。
※無料で銘柄相談も承っております。
※有力な情報配信も行っておりますので下記URLよりご確認ください。
▼
https://snap-up.jp/