高齢者の労働参加・コロナ禍で減少 【6月1日(水)】
高齢者の労働参加に、ブレーキが、かかっています。
政府統計の分析から、コロナ禍で、高齢層の就労意欲が低下し、一部が、就業をやめている実態が浮かびます。
背景には、コロナ感染への不安や、希望する仕事が減ったことなどがありそうです。
総務省の労働力調査によると、女性や高齢者の働き手が増え、労働力人口は、この10年で、5%近く増えましたが、足元では、横ばい傾向になっています。
2020年春のコロナ感染拡大初期には、女性を中心に、職を離れる人が増え、2021年春以降は、男性の離職が増えています。
男性でも、特に高齢層の非労働化が目立ちます。
非労働化とは、職を離れ、その後、職を探さないことを指します。
2021年の非労働力人口は、65歳以上の男性は、1,021万人です。
コロナ感染拡大前、2019年の1,009万人から増えました。
この間の日本全体の非労働力人口は、減少していますが、コロナ禍では、主に、65~75歳男性が、非労働力人口を増やす要因となっています。
55歳以上の男性で、就業意欲の喪失が、懸念されます。
要因の一つは、感染不安です。
全国シルバー人材センター事業協会によると、2020年の会員数が、20年ぶりに70万人を割りました。
同協会は、コロナ禍で、外出を控えたい人や希望する仕事が減ったことで、登録をやめた人が、増えていると見ています。
コロナ禍での企業の倒産も、高齢層の働き手を減らしています。
2020年2月~2022年5月までに、コロナ禍を理由にした、小規模倒産は、1,900件超でした。
小規模倒産は、全倒産件数の過半を占め、2021年は、2020年の2倍以上と、コロナ禍が長期化するにつれ、増加しています。
小規模経営が多い自営業者には、高齢者が多く、自営業で、倒産・廃業した後、働く意欲の起きない人が、一定の割合存在します。
高齢者の就業意欲の減退は、日本経済に新たな課題を提起します。
日本では、15~64歳の生産年齢人口は、1995年にピークをつけ、減っています。
コロナ禍での離職を契機とした、就労意欲の低下が定着すれば、労働供給制約の一部は、定着する可能性があります。
医療福祉や、情報技術などの業界は、コロナ禍でも、人手不足が、一段と顕著になっています。
飲食や宿泊業は、先行き不安などから、人材が集まりづらく、本格的再開の足かせになっています。
コロナ後の日本経済の成長に向け、高齢者の就労意欲を高め、労働参加につなげるための取り組みが、政府や企業には欠かせません。
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