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帝国ホテル 不動産賃貸が下支え【10月12日(月)】

【9708】帝国ホテルが、コロナ禍の中で耐性を見せています。


コロナウイルスの感染拡大で、訪日客や宴会需要が蒸発し、2021年3月期の上半期2020年4月~9月は、78億円最終赤字(前年同期は15億円の黒字)に転落すると発表しました。


宿泊客の半分を占めた訪日客需要の落ち込みが大きく、客室の稼働率は、20%程度で未曽有の不況の中での決算発表でした。


しかし、株価は、2019年末の1,979円に対して、本日1,860円で6%の下落にとどまっています。


同期間で【9713】ロイヤルホテル が20%、【9722】藤田観光 が42%、【9723】京都ホテル が17%と株価が、それぞれ、下落しているのと比べて、小幅の下落にとどまっています。


帝国ホテルは、6月時点で、現金と有価証券を合わせた手元資金が、363億円あり、手元資金が月商の何倍あるかを示す、手元流動性比率が、9倍あります。


ロイヤルホテルの0.8倍、藤田観光の0.6倍と比べて高い水準です。


帝国ホテルの利益の40%を占めるのが、不動産賃貸事業です。


1983年にインペリアルタワー(現帝国ホテルタワー)を建設し、ホテル事業と2本柱で経営してきました。


今回のコロナ禍でも、2020年4~6月は、不動産賃貸事業は、前年横ばいの、5億円の利益を確保しました。


自己資本比率は、会社の安全性を表す指標で、高いほど、借りているお金が少なく、会社の純資産が多いことを示しますが、ロイヤルホテルの26.8%、藤田観光が9.7%、京都ホテルが5.7%に対して帝国ホテルは77.4%もあります。


帝国ホテルの株価は、財政の厚みが下支えをしていると思われます。


ホテルの土産などを販売するECサイトは、緊急事態宣言下で需要が急増し、2020年4~6月は、前年の4倍に伸びたそうです。


帝国ホテルは、初めてバイキング方式のレストランを始めるなど、業界のイノベーションを先導してきましたが、コロナ禍の中、今後、どのような新たな方向性を打ち出すかが期待されます。

 


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