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電気自動車(EV)は二酸化炭素(CO2)を排出しないのか? 【4月16日(金)】

電気自動車(EV)は、走行中に排気ガスを出さず、脱炭素にうってつけの技術に思えますが、製造時には、ガソリン車を上回る、二酸化炭素(CO2)を排出します。


さらに、充電する電気が、クリーンエネルギーでなければ、電気を使うたびに、CO2を排出することになります。


日本などの主要国は、2050年までに、温暖化ガスの排出を実質ゼロにする目標をたて、2030年代には、ガソリン車の販売を、禁止する見込みです。


欧州連合(EU)は、昨年12月に、EV車などの電池の生産に、環境規制を課す案を、公表しました。


2024年7月から、電池の、製造から廃棄までの、CO2の排出量の報告を、義務づけ、2027年7月には、排出量の上限を定めるというものです。


ガソリン車は、ガソリンをエンジンで燃やし、CO2などを出して走ります。


一方、EV車は、電池にためた電気で、モーターを動かして走るので、走行中には、CO2を排出しません。


しかし、電力源の電池に盲点があります。


製造工程全体で、EV車は、ガソリン車の、2倍以上のCO2を排出するという試算があります。


EV車は、電池を作るだけで、ガソリン車のエンジン製作の4~5倍の、約6トンのCO2を排出するといいます。


主流の、リチウムイオン電池は、製造に大量のエネルギーを消費します。


EV車は、充電する電気がクリーンかどうかも問われ、太陽光などの再生エネや、原子力発電によるものなら、CO2排出は、抑えられますが、化石燃料の電気なら、CO2を出していると見なされます。


再生エネの割合は、国、地域によって違います。


この点を考慮して、日本・米国・EUのEV車と、ガソリン車の製造・使用・廃棄を通じて、CO2の排出量を、比較したところ、米国では、6万㎞、欧州では、7万6,000㎞、日本では、11万㎞走って、やっと、EV車のCO2の排出量が、ガソリン車を下回るとの試算もあります。


米国は、ガソリン車の燃費が悪く、EV車が有利になりやすい。


欧州では、再エネや、原子力の割合が高く、CO2の排出をともなう、発電が相対的に少なくなっています。


日本は、ガソリン車の燃費が良く、火力発電の割合が高いので、11万㎞の走行が、必要となりました。


EV車が、100%導入されたと仮定して、CO2排出量の削減効果を、シミュレーションしたところ、火力発電に依存した現状のままであれば、CO2排出量は、ほとんど変わらず、逆に増加する可能性すらあるようです。


EV車製造時のCO2排出量の削減や、エネルギー効率化、供給する電気の再エネ化を進めなければ、EV車の導入をはかっても、脱炭素効果は、それ程、上がらないというこになります。

 


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