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中国の人口減少・インフレを警戒  【6月17日(木)】

中国発のインフレを、警戒する声が出てきました。


働き手の人口減で、中国の賃金が上がり、各国の物価を押しあげる可能性があります。


長く続いた低インフレ時代が、転換点を迎えるかも知れません。


5月に、中国共産党は、突如として、夫婦に3人目の出産を認めることを決めました。


高齢化で、労働力が減り、介護負担も増すとの危機感からです。


5月11日に発表された、2020年国勢調査で、中国の総人口は14億1,178万人と、10年間で、年平均、0.53%増えましたが、65歳以上の人口が、6割増でした。


15~64歳の生産年齢人口は、9億6,776万人と、2013年のピークからは、3,800万人減りました。


製造業への調査よれば、最大の経営課題が、採用難です。


中国の賃金は、2008年の金融危機後に倍増しましたが、人手不足は、賃金上昇に、拍車をかけています。


中国が、低インフレの時代を、終わらせるかも知れません。


1980年代以降、豊富な労働力をテコに、安価な工業製品の輸出を急増させた中国は、デフレの元凶と呼ばれました。


東西冷戦終結後は、東欧などの労働力が加わり、良質な労働力が、倍増し、生産のグローバル化も相まって、価格破壊が進みました。


その結果、2桁に達した先進国のインフレが、1990年代半ばには、2%台まで低下しました。


今後、中国の賃金上昇が、どのように、世界に影響するか注目されます。


1990年代、中国の輸出額は、世界全体の、数パーセントでしたが、価格破壊の波は、広く及びました。


現在、中国の輸出額は、世界全体の、1割強であり、物価上昇の波は、かつての価格破壊をしのぐ可能性があります。


生産性を高め、労働力不足を補う手はありますが、かつては、労働集約型だった中国も、今は、ITによる自動化が進み、省力化は、容易ではありません。


全ての夫婦に二人目の出産を認めた、2016年以降も、出生率の低下は続いて、今回の、産児規制の緩和も期待できません。


生産年齢人口は、米国でも頭打ちで、日本や、EUでは、減少が続いています。


インドを含むG20でも、10年後には減少に転じる見込みです。


金融市場は、米国発のインフレに注目していますが、中期的には、中国の人口減少に起因するインフレという、厄介な火種が、くすぶります。

 


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