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中国・食糧安全保障、トウモロコシの輸入急拡大 ①【9月13日(月)】

今年に入り、国際商品市場では、非鉄金属原油とともに、穀物相場の上昇が目立ちます。


最大の要因は、中国が食糧安全保障に傾斜し、トウモロコシなどの買い付けを急拡大させたことによります。


農産物の安定生産に欠かせない肥料の原料や、海上輸送にも波及しています。


大豆に続き、中国による、米国産トウモロコシの買い付けが始まったのは、10年以上も前のことです。


当時、養豚などの飼料や、工業用コーンスターチなど、中国ではトウモロコシの消費が、急拡大していました。


しかし、当時は、大豆の輸入依存は高めても、中国政府は、トウモロコシや、コメ、小麦は、自給を堅持するとみていました。


貴重な農地は、食用のコメや小麦、畜産飼料に欠かせないトウモロコシを優先すると、市場関係者は見ていました。


ところが、中国のトウモロコシの輸入は、年を追うごとに拡大し、昨年は、急増しました。


2020~2021穀物年度の中国の輸入量は、前年度3.4倍の2,600万トンに膨らみ、日本やメキシコを抜き、世界最大となりました。


世界で生産された、11億1,541トンのトウモロコシのうち、輸出されるのは、17%弱の、1億8,421万トンにすぎません。


食用油や、飼料用途が多い大豆は、生産量の45%が、輸出に回されますが、世界の貿易量の6割は、中国が買い付けます。


中国の大豆の輸入量は、1億トンと2010年から2倍強に増えました。


トウモロコシでも、さらに輸入量を増やせば、大豆に比べ貿易量の少ないので、市場へのインパクトは、計り知れません。


シカゴ先物市場で、トウモロコシが、7年10ヶ月ぶりに、一時、小麦を抜きました。


異例の価格逆転に、市場の動揺が見えます。


中国の買い付けが急増した要因として、長江流域の深刻な洪水被害が挙げられます。


在庫の多くが洪水被害で使えなくなり、異常気象で、穀物輸出を止める生産国もあり、食糧安全保障の危機感が高まり、輸入の急増につながりました。

 


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