【公式】スナップアップ投資顧問ブログ

日本株式の専門家スナップアップ投資顧問の公式ブログ

コメ輸出世界一のインドが輸出を制限【8月8日(火)】

7月、インド政府は、高級インディカ米であるバスマティ米以外の白米の輸出を禁止しました。


穀物輸出の拠点であるウクライナへのロシアの攻撃と、インドの輸出制限を受け、世界的な食料インフレへの懸念が大きくなっています。


インド消費者問題・食料・公共供給省は、7月20日、価格の引き下げと国内市場での供給確保のために、コメの輸出を禁止すると発表しました。


同省によると、インドのコメ価格は、足元で前年比11.5%、前月比で3%上昇しました。


4~6月に輸出量が、前年同期比35%増えたことが背景にあります。


インドは、世界最大のコメの輸出国で、世界の輸出量の約4割を占めます。


インドに次ぐ輸出国であるタイやベトナムでは、今年に入ってコメの価格が急騰しました。


世界数十億人が主食とするコメの価格の上昇は、世界的な食料インフレを加速させる恐れがあります。


インドでは、モンスーンによる大雨で農作物が被害を受け、輸送網が遮断され、この数週間で、トマトや他の穀物の価格が上昇し、政府は対応に追われています。


インド政府の抱える備蓄米は、7月時点で最低必要量の3倍あることを踏まえれば、拙速な対応だとの指摘もあり、輸出禁止がコメの国際価格を押し上げ、特にアフリカ諸国に打撃を与える可能性があります。


インドが、重要なコメの生産国であることを踏まえると、今回の輸出禁止は、問題が大きく、ピークを過ぎたと思われていた食料インフレも、そうではない可能性があります。


年末には、世界のコメの在庫が1億7,000万トンに減り、6年ぶりの低水準となる予測もあります。


コメ市場のひっ迫は、小麦にも波及する可能性があります。


インドの禁輸発表と同時期に、ロシアが、ウクライナ穀物施設への爆撃を始めました。


ロシアは、過去11ヶ月で3,000万トン以上の小麦などウクライナ穀物や、食用油を世界に供給してきた、黒海穀物合意の停止を表明しました。


国連世界食糧計画のチーフエコノミストのアリフ・フセイン氏は、「貧困国を中心に各国は既に、食料インフレに苦闘している。特に、輸入依存度や債務負担率が高く、通貨が下落し、金利が上昇している国や、食料や肥料を輸入している国は困難に陥る」と述べています。

 


※無料で銘柄相談も承っております。
※有力な情報配信も行っておりますので下記URLよりご確認ください。

https://snap-up.jp/