中国・総人口が減少に【9月21日(水)】
中国の出生数の減少が、止まりません。
景気の停滞で、所得不安が強まったほか、晩婚化も進んでいます。
2022年通年で、1,000万人の大台を割り込み、出生数が、死亡数を下回り、人口が減少に転じる可能性があります。
中国共産党は、2021年5月、急速な少子化が、経済の活力をそぐとの懸念のため、夫婦に3人目の出産を認めました。
それでも、2021年の出生数は、前年比、12%減の1,062万人に減り、1949年の建国以来最少を更新しました。
中国では、国家統計局が、年1回1月に、出生数を公表しますが、出生データを個別に公表している、27の省や市などの比較可能なデータでみると、2022年も少子化の流れが続いているようです。
27地域のうち、貴州省貴陽市(7%増)以外、すべての地域で、前年同期を下回っています。
22の地域では、2桁マイナスを記録し、3~4割減った地域もあります。
要因の一つは、家計の将来不安です。
ゼロコロナ政策で、景気の停滞が長引き、所得が伸び悩んでいて、1~6月の実質可処分所得は、前年同期比3%の増加でした。
2021年の同時期の伸びは、5.2%で、2.2ポイント低くなっています。
一方で、住宅をはじめ、都市部の生活コストは、高止まりしたままです。
晩婚化も、少子化の一因とみられます。
2021年の結婚数は、前年比6%減の764万3,000組でしたが、このうち30歳以上で結婚した人の割合が48%でした。
過去10年で18ポイント上昇しています。
中国では、20~29歳の結婚件数は、翌年の出生件数と相関が高いと分析されます。
2021年に20~29歳で結婚した人は、前年比9%減少し、婚姻数全体のマイナス幅を上回っています。
出生減を食い止めたい政府は、子育て支援の拡充を急いでいます。
中国国家発展改革委員会は、乳幼児の子守役がいないことが、出産減の主因と指摘し、保育園などの整備を急ぐ方針を示しました。
しかし、国連が7月に発表した最新の人口予測で、7月1日時点での中国の総人口は前年比で、減少に転じたと推計しています。
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