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世界の中央銀行・金(Gold)購入額が過去最大【11月25日(金)】

世界の中央銀行が、金の保有を増やしています。


2022年の金購入量は、過去最高のペースになっています。


どの国の中央銀行が買ったのか不明の購入も、異例の水準まで膨らんでいて、憶測が飛び交っています。


7~9月に中央銀行による、購入から売却を引いた純購入量は、前年同期の4倍以上の399.3トンでした。


1~3月の87.7トン、4~6月の186トンと徐々に増えていて、1~9月の累計では、データの遡れる1967年以降、単年での過去最大の購入量を上回っています。


購入した中央銀行としてトルコ(31.2トン)、ウズベキスタン(26.1トン)、インド(17.5トン)などが特定されています。


売却したのは、カザフスタンアラブ首長国連邦(UAE)など数トン程度です。


判明した個別の国の売買を累計しても、約90トンにとどまります。


純購入額の399.3トンとの間には約300トンのズレがあります。


数トンのズレならまだしも、これほど乖離している例は、過去にないと思われます。


市場では「名乗らぬ買い手」について憶測が広がります。


ウクライナ侵略で、海外資産が凍結されたロシアや、欧米と対立姿勢を強める国家が、金保有に走ったとの見方が増えています。


中国がロシアから相当量購入したと見る人もいます。


中国人民銀行(中央銀行)は、過去にも、名乗らずに買いを進めた経緯があります。


2009年から沈黙を続けていた中国人民銀行は、突如、2015年に、600トンほど積みましたことを公表し、金市場をざわつかせました。


足元でも、2019年9月の報告を最後に、その後は動きがみられません。


ロシア中央銀行保有する2,000トン以上の金の一部を、原油同様に中国が買ったとの見方もあり、事実だとすれば、中国の金買いは、欧米による制裁などの事態に備え、リスク回避に動き始めた可能性があります。


中央銀行や公的機関が、金保有を増やし始めたのは、ここ10年ほどです。


2008年のリーマンショックを機に、米国債など、ドル建て資産への信頼が揺らぎ、外貨準備の分散のため、金が買われました。


金は流動性が高く、ソブリンリスクが極めて低いため、信用力の弱い、新興国中央銀行が、金で資産保全を図るようになりました。


中国は、米国債の売却に動いています。


財務省によると、9月末時点で、金2,200トン分に相当する、米国債1,212億ドルをロシアのウクライナ侵攻直後の2月から売却しています。


国税関総署によれば、7月には、ロシアからの金輸入額が、前月比8.5倍、前年比では50倍の水準に膨らみました。


中国が、米国債の売却資金の一部でロシアから金を購入したとすれば、辻褄があいます。


今後も世界の中央銀行は、価格の安定性やソブリンリスクの観点から、金を買い続けるものと思われます。


中央銀行は、基本的に、保有する金を市場に放出しないため、脱ドル資産が進み、金の買いが増えるほど、金価格は下支えされることになります。

 


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