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高齢者の貯蓄が増えています【5月9日(火)】

2022年の家計調査によると、2人以上の世帯のうち、世帯主が65歳以上で働いている世帯の収入は、月45万5,000円でした。


そのうち27万7,000円が、勤め先からの収入でした。


消費支出と税・社会保険料の支払いを合わせた額は35万2,000円。


黒字額が10万2,000円で、手持ちの現金などを加え、貯蓄に充てた金額は、11万3,000円に上ります。


2012年の3万2,000円と比べて、3.4倍に増えました。


2012年の統計と比較して、勤め先からの収入が3万円増え、年金も2万円増加し。世帯収入は、5万円あまり多くなりました。


ここ10年では、支出はほとんど変化がなく、家計の収支は改善しました。


パートなどで働く配偶者が増えたことが、世帯収入の増加につながっているようです。


65~69歳の就業率は、2012年の37.1%から2021年には50.3%まで上昇しています。


高齢者が長く働き活躍することは望ましいことですが、一方で、65歳以上の世帯の貯蓄の増加に伴い、金融資産がさらに高齢者に偏りつつあります。


家計の金融資産残高は、2,000兆円を上回っていますが、うち預貯金が1,000兆円ほどあります。


家計の預貯金について、世帯主の年齢別保有額を推計すると、70歳以上が350兆円超、60~69歳が260兆円超と、60歳以上で600兆円を上回り、全体の64%になります。


高齢世帯が、貯蓄を増やすのは個人の選択ですが、預貯金にまわる傾向が強く、投資に向かう資金は限られます。


高齢者は、消費意欲が弱く、2023年4月時点の消費者態度指数は、60歳代が33.1、70歳以上が34.1で、29歳以下の39.8や、30歳台の38.8を下回ります。


消費者態度指数は、数値が大きいほど、いわゆる財布のひもが緩いことを示します。


高齢者から若い世代への資産の移転も、なかなか進みません。


財産を残して死亡した被相続人が、80歳以上だった割合が、2019年には、72%まで高くなっています。


相続したのは、50歳以上が多いと見られます。


相続した財産のうち有価証券と現金・預貯金は、2020年に8.5兆円と、10年前の4.1兆円から倍増しています。


金融資産が一定以上の高い年齢層の間で還流している限り、若年層には、お金が回りません。


このような状況を是正するには、高齢者の貯蓄が消費や投資に回るような環境づくりが不可欠となります。


生前贈与を促す税制の見直しなど高齢者の資産を若年層に再分配するような税制や、社会保障のあり方を考える必要があります。

 


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