【公式】スナップアップ投資顧問ブログ

日本株式の専門家スナップアップ投資顧問の公式ブログ

鉄道大手各社・業績回復も道半ば【5月19日(金)】

鉄道大手17社の2024年3月期の業績見通しが出そろいました。


17社合計の営業利益は、前期比29%増の1兆3,155億円を見込みます。


コロナの分類が「5類」に移行したことや、訪日客の増加に伴い、鉄道やホテルの利用が伸びます。


動力費の高騰などコスト増が重荷となり、利益水準はコロナ前の5~6割にとどまる会社が多くなっています。


通勤定期も伸び悩んでいて、本格的な回復は、道半ばです。


JR東日本や東急など2024年3月期の収入計画を開示している12社の運輸収入は、15%増の2兆6,279億円を見込みます。


前期は、コロナ前の2019年3月比で、8割弱の水準でしたが、今期は9割まで回復します。


阪急阪神ホールディングスは、阪急電鉄阪神電気鉄道の合計の2024年3月期の運輸収入を12%増の1,285億円と計画します。


コロナの5類移行などを背景に、新幹線などの定期外利用が伸びます。


JR東日本は、利用客が、2023年12月時点で、新幹線がコロナ前の9割、在来線は同水準まで戻ると見ています。


足元の訪日客の増加を受け、ホテル事業の回復も利益を押し上げます。


西武ホールディングスは、国内ホテルの客室稼働率が、16ポイントト上昇して69%になると想定しています。


1室あたりの収益力を示すRevPAR(ホテルの売上高を部屋数で割った数値)は49%増の1万3,079円と、コロナ前の1万2,000円前後を上回ります。


今後も、鉄道やホテル部門の業績回復は、当面続くと思われます。


ただ、17社の営業利益は、コロナ前の6割の水準にとどまります。


厳しいのが定期券の回復の遅れです。


12社合計で、今期の定期外収入が、コロナ前の96%まで戻るのに対し、定期収入は83%の水準です。


テレワークなどの定着で、今後も大きく回復するとは思えません。


JR東海の今期営業利益も、コロナ前の6割にとどまります。


修繕費の増加に加え、東海道新幹線の出張利用がコロナ前に戻りません。


電気代などの動力費の高騰も負担となります。


JR東日本の前期の動力費は、前年比49%増の913億円とコロナ前より4割高く、今期も1,090億円に膨らむ見込みです。


さらに、コロナ禍で、各社が先送りしてきた修繕費も、今後かさんできます。

 

※無料で銘柄相談も承っております。
※有力な情報配信も行っておりますので下記URLよりご確認ください。

https://snap-up.jp/