学校の給食費・全国的に値上げ【6月20日(火)】
2023年度になって前年度より1割程度引き上げるケースが目立ちます。
経済回復やウクライナ危機を背景に、食用油や小麦粉、牛乳など給食によく使われる食材の価格が軒並み上昇しました。
食用油を使う揚げ物を減らしたり、値段の安いモヤシを増やしたり、献立を工夫するものの、法律に基づく栄養基準を満たすことが難しくなり、給食費の値上げに迫られました。
宮城県富谷市の給食センターでは、小中学校など14校、5,500人分の給食をつくっています。
業者からの食材卸価格が引き上げられ、今年度から牛乳が1本あたり6円上がって56円、パンも50gあたり5円上がって56円になりました。
いずれもウクライナ危機で穀物相場が高騰したことで生産コストが上振れしました。
資源不足が懸念される水産物も、サケが数年前までは一人分で50~60円だったものが100円を超えるようになったと言います。
食材は、これまでも値上がりしていましたが、今回は格段に値上がりしています。
給食はコストだけを考慮すればいいわけではなく、学校給食法に基づく栄養の摂取基準を満たす必要があります。
例えば、6~7歳の児童の場合、1食でエネルギーは530キロカロリー、カルシウムは290㎎。ビタミンシCは20㎎など、細かく定められています。
食材は、価格が高いほど栄養価が上がる傾向があります。
肉の場合、バラだと牛肉が豚肉よりカロリーは高いのですが、卸値は牛肉が数倍高くなります。
足元では、米国の干ばつによる牧草不足で、牛肉の供給が不足し、相場が下がる気配はありません。
そのため、全国的に牛肉から豚肉へのシフトが起きていると言います。
北海道江別市では、牛肉と豚肉のあいびきだったミートソースを豚肉のみにしました。
さらに全体のコストを抑制するため、ビタミンやミネラルが豊富な特産のブロッコリーを減らして、安価なモヤシを増量するなどしています。
今の給食は、栄養の摂取基準を満たせなくなっています。
富谷市は、栄養の摂取基準に対する充足率は、2020年度に97%でしたが、2023年度は90%近くまで低下する可能性がありました。
同市は、2023年度からの給食費無償化を契機に栄養価を引き上げるために、4月から1食あたりの単価を、小学校で275円から300円に、中学校で325円から360円に改定しました。
栄養の摂取基準をわずかですが下回っていた兵庫県西宮市も食材の値上がりを受けて、4月から給食費を引き上げました。
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