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中国・銀行へのクレームが急増【6月29日(木)】

中国で銀行へのクレームが急増しています。


1~3月の苦情件数は、前期比5割増え、初めて10万件を超えました。


住宅ローンの繰り上げ返済を希望する人が増え、金利収入の落ち込みを警戒する銀行が受付を制限したのが一因と見られます。


中国の国家金融監督管理総局は、4半期ごとに、銀行や保険会社の対応に関する消費者のクレーム件数を公表しています。


銀行への苦情は、減少傾向にあった2022年から一変し、2023年1~3月は、10万4,909件と、2022年10~12月期の1.5倍に急増しました。


急増の主因は、住宅ローンの繰り上げ返済を巡る混乱にあります。


個人向け融資に関する苦情が、5万4,909件と、前期の2.1倍に急増し、全体の57%を占めました。


過半数を超えたのは、調査開始以来初めてです。


2022年は、ゼロコロナ政策で中国では景気の低迷が続きました。


株式や不動産投資で稼ぐ収益も悪化し、富裕層の中には、手元資金を住宅ローンの繰り上げ返済に充てる動きが広がりました。


これに銀行側が警戒感を強め、金利収入が急減しかねないとみて、繰り上げ返済の手続きの受付を制限するケースが相次ぎました。


銀行は、コロナ禍で落ち込んだ収益力を立て直すため、定期預金などの金利を引き下げ、コスト抑制を優先してきました。


預金者の利息収入は減るため、銀行に預けた預金を繰り上げ返済に回して、利払い負担の軽減を優先する動きが加速した側面もあります。


金融当局は、2月、市中銀行に対して、繰り上げ返済の申請を速やかに受付て処理するよう要求しました。


背景には、借り手から苦情が殺到したことがあり、当局も銀行側のこうした返済制限を問題視している可能性があります。


中国人民銀行(中央銀行)によると、4月に家計が借りた中長期資金は、1,156億元(約2兆3,000億円)の返済超過でした。


確認できる2007年以降で最も大きく、住宅ローンの繰り上げ返済が広がった模様です。

 

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