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中国恒大・赤字が2年で11兆円【7月25日(火)】

不動産不況が中国経済の重荷となっています。


経営再建中の不動産大手、中国恒大集団は2年間で、約5,800億元(約11兆2,000億円)の最終赤字を計上しました。


同社が7月17日発表した2021年12月期の連結決算は、4,760億元の最終赤字、2022年12月期は1,059億元の最終赤字で、中国企業では過去最大の赤字と見られます。


主因は、開発用不動産の評価損です。


2年合計で3,800億元近くの評価減に、金融資産の減損損失などが加わり、赤字額が膨らみました。


1996年創業の恒大は、2010年代半ばには世界トップクラスの不動産会社となり、創業者の許家印は、中国を代表する起業家、富豪として名をとどろかせました。


2020年に中国人民銀行(中央銀行)が不動産大手に財務指針「3つのレッドライン」を設けて監視を強化すると風向きが変わりました。


負債比率などによって資金調達の規模を制限するもので、金融機関の貸し渋りに直面した恒大は、経営難に陥りました。


消費者は、経営不安の恒大の物件を買い控え、2020年12月期に5,000億元を超えていた恒大の売上は、2022年12月期には、2,300億元まで半減しました。


国家統計局が7月18日発表した2023年4~6月の業種別国内総生産(GDP)は、不動産業は前年同期比、1.2%減少しました。


2022年春に上海がロックダウンを実施した反動で、他業種の増加率が拡大したのと対照的に不動産業だけが減少しました。


中長期的には、家不足時代から家余り時代への転換という根本的な問題が潜みます。


中国の家庭一戸あたりの住宅保有数は、2024年には1.02戸となり、節目の一戸を超える見通しです。


これに総人口の減少や一人っ子政策による複数住宅の相続が加わり、2000~2010年代のような熱気がありません。


中国政府は、2022年11月に不動産市場への金融支援策を発表しましたが、肝心の住宅購入が振るわず、早くも息切れしています。

 


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