太陽光発電所・開発にブレーキ 【11月10日(水)】
太陽光発電所建設のための、林地開発にブレーキがかかっています。
2020年度に開発許可を受けた林地面積は、968ヘクタールと、2019年度から7割減少しました。
脱炭素に向けた、再生可能エネルギーの普及という大きな政策目的と、景観保護や防災といった、地域の利益確保のための実効的な仕組み作りが課題となります。
林地開発には、森林法に基づき、事前に自治体の許可を得る必要があり、災害や水害の防止、環境保全などが求められます。
太陽光向けの許可面積は、過去最大だった2019年度の3,217ヘクタールの三分の一に落ち込み、1,000ヘクタールを割れ込んだのは、2013年度以来でした。
林地の開発と環境保護のバランスは、以前にも増して難しいテーマになっています。
政府は10月に閣議決定した、新エネルギー基本計画で、2030年度の電源のうち、再生可能エネルギーの割合を、2019年度実績の2倍の36~38%に引き上げる目標を掲げました。
他の再エネに比べて導入しやすい、太陽光発電への期待は依然として大きい。
8月には、経済産業省が、2030年時点での、1キロワット時あたりの発電コストは、事業用太陽光が、最も安くなるとの試算を発表しています。
一方で、防災や景観保護を巡って、地域住民と対立する事例が増えています。
2021年3月、奈良県平群町の住民が、メガソーラー企業を集団提訴しました。
十分な説明がないまま、森林が伐採されたという不満があったうえに、6月には、許可要件に関する書類の誤りが発覚し、奈良県が、事業者に工事の停止を要請する事態となりました。
静岡県函南町の住民が6月、メガソーラー事業者が工事を強行しないよう県知事に要望書を提出しました。
7月には、静岡県熱海市内の林地開発した箇所で、実際に土石流災害が発生し、甚大な被害が出ました。
環境省が2019年に公表した、太陽光発電施設に関する環境への影響調査では、林地開発に対する苦情が多くありました。
苦情内容の多くは、土砂災害や景観悪化への懸念でした。
都道府県や市町村が、太陽光などの発電設備の設置を規制する条例は、165に達しています。
政府の新エネルギー基本計画の達成には、再生可能エネルギーの普及に向け、地域の信頼確保が避けて通れません。
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