アジア向け輸出急増・ホタテ、リンゴ、コメなどの農水産品 【3月16日(水)】
ホタテ貝やリンゴなど、日本の農水産品のアジア向けの輸出が、2021年に、大きく増えました。
新型コロナの感染拡大で、海外旅行ができないなか、インバウンド(訪日外国人客)として、日本の食を体験した人が、日本の農水産品を現地で求めています。
コメは、現地での精米能力を引き上げるなど、事業者も対応を急いでいます。
中国での消費は、富裕層から中間層へ急激に広がってきました。
ホタテ貝は、輸出額が最も多かった品目です。
輸出額は、639億円と前年の2倍になり、輸出量も11万5,700トンと49%増えました。
輸出量の8割強を占める中国向けは、55%増えました。
アジア圏での消費は、日本食店やすし店が主体です。
特に、日本で貝殻を剥いで、冷凍で輸出する、玉冷ホタテは、現地のすしブームが、需要をけん引しました。
日本貿易振興機構(ジェトロ)では、海外旅行ができない分、訪日経験がある購買層は、日本産品への購買意欲が高まり、結果として、輸出が増加したと見ています。
コメも大幅に増えました。
援助米を除く輸出量は、15%増の2万2,833トンで、香港向けは、28%、シンガポール向けは、35%増えました。
香港で、70店をフランチャイズで展開する元気寿司では、日本産米を使用していますが、ふっくらして食感が良いとの評判です。
コメを供給する神明(東京都中央区)は、海外市場の開拓に向け、日本国内の産地と組み、収量が多く見込める、多収米作りに乗り出しました。
香港とシンガポールに、自社精米工場と倉庫を持つクボタは、香港向けが46%、シンガポール向けが30%増えました。
2021年にシンガポール工場の精米能力を1.5倍に拡大、2022年には香港の精米能力も増やす予定です。
果物では、リンゴが40%増の3万7,728トンと、果物輸出の過半を占めました。
台湾向けが5割、香港も2割増えました。
いちごも1,776トンと5割増加しました。
コロナ禍のアジア各国では、行動が緩和されれば、外食で日本食を楽しみ、行動が制限されれば、ネットで日本食材を購入すると言った行動の使い分けが進みました。
現地の消費行動の多様化に、どのようにして対応できるかが、今後の輸出の伸びを左右しそうです。
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