【公式】スナップアップ投資顧問ブログ

日本株式の専門家スナップアップ投資顧問の公式ブログ

米国産牛肉・エサ不足で供給不安【4月14日(金)】

米国では、長引く干ばつの影響で、ウシのエサとなる牧草が慢性的に不足しており、畜産農家は、ウシの生産頭数を減らしています。


生牛の先物相場は、上昇が止まらず、8年ぶりの高値水準となっています。


米シカゴマーカンタイル取引所(CME)では、食肉に加工される生牛の先物価格が、一時1ポンド=165セント近くなり、前年同時期より25セント高くなりました。


今回同様、干ばつの被害が大きかった2015年春以来の高値となりました。


世界で生産される牛肉7,230万トンのうち、米国産は、1,273万トンと、2割弱を占めます。


米国では、近年干ばつが頻発し、牛肉の相場は、2020年春から上昇トレンドとなっています。


特に畜産農家が多い南部で、エサとなる牧草不足が顕著で、主要生産地のテキサス州では、2022年の牧草生産量が、前年より3割も減少しました。


エサの消費量を少なくするため、ウシが十分に育つ前に出荷する畜産農家が目立つようになりました。


米国内で飼育規模は、縮小しており、2023年1月時点で、飼育頭数が前年から3%減り、約9,000万頭になりました。


しかも、畜産農家が出荷時期を早めたことで、出回るウシのサイズが、これまでよりも小型になっていて、食用として得られる枝肉は、1頭当たり375㎏で、1年間で2%減っています。


エサ不足は、解消の見通しが立っていません。


畜産農家は、経営が厳しく、廃業者も出始めており、ウシの生産が、いつ戻るか全く見えません。


2024年も、引き続きウシの生産は後退していくとの観測が強く、米国産牛肉の供給不安は、長期化する可能性があります。


日本国内では、米国産は、牛丼チェーンなどで使われていて、手当を急ぐ動きも出ています。


外食店では、割安感が強まった豚肉をハンバーグに混ぜる割合を増やすところもあります。


新型コロナ禍で落ち込んだ牛肉の消費は、世界的に回復しつつあり、米国の牛肉の供給が、このまま細っていけば代替品となる豚肉や鶏肉の相場にも影響が出てくると思われます。

 


※無料で銘柄相談も承っております。
※有力な情報配信も行っておりますので下記URLよりご確認ください。

https://snap-up.jp/